01くつしたの町、受け継ぐ歴史

日本有数のくつ下の産地、兵庫県加古川市。
播磨平野の真ん中あたり、豊かな自然に囲まれたこの地で、約半世紀にわたってくつ下づくりに邁進してきました。

02
UNIVAL だからできる事
一般医療機器製造

新たに開発した編み構造や短納期の供給ペースに対応する為、海外製の最新型編み機を順次導入。
そこに独自の編みたてを実現する為に社内で改良を重ねていきます。年季の入った繊細で精密な編み立てを要するくつ下の製造には、編み機の構造が大きく関わることから、培ってきた編み機に対する知識も当社の重要な技術力の一つです。
また令和2年6月に医療機器製造業登録証を自社工場(本社)で取得(登録番号28BZ200186)し、今までの知見を生かした新たな医療分野での製造にも参入しました。

03研究開発・共同研究

高度な感覚の数値化や学術的な見地からの検証等、より充実した研究開発体制を整えるため信州大学繊維学部・全学教育機構と共同研究契約を結んでいます。
その研究成果を日々の商品開発につなげ、テーピング理論の応用、着圧と動作性の研究結果などから特許取得や製品化を実現しています。

研究開発レポート

01
健康生活に対応したコンディショニングソックスに関する研究
「テイピングソックス」による足部の疲労軽減効果、歩行安定性への効果、着衣快適性への効果を定量的に捉えるため、筋電図計測、バランス能力検査、衣服圧計測、官能検査を行った。
これらの検査結果は効果的なテーピング編成の着圧強度、テーピング配置などを有する新製品を開発するための基礎的データとなり、高齢者やADL(日常生活動作)に寄与する製品の開発に向けた指針を得た。(2014~2015)
図1:安定感と衣服圧(左)・履き心地と衣服圧(右)の関係
足首と足裏へサポート機能を有する靴下が、歩行動作や切り返し動作などに及ぼす効果を定量的に捉え、効果的な編み配置と衣服圧を有する新製品開発につながる知見を得ることを目的として実施している。
物理量・生理量・感覚量の三者を計測し解析するという感性工学的研究方法を用い、これまでに衣服圧が及ぼす動作性への影響、着用時の履き心地の解析、脚の体液循環に関わる計測(身体成分分析装置使用)・解析等を行った。
そのなかで衣服圧と脚のむくみ(日内変動)との関係について考察し、衣服圧によって動作性を向上させ脚への生理的効果にも配慮した製品の開発に向けて知見を積み重ねている。(2015~2021現在継続中)
サポーターの装着圧とランニングパフォーマンスの関係を定量的に検証するため、下腿を覆うサポーターを実験試料として、腓腹筋筋電図(図2)、心拍数、消費カロリー等の計測を行った。
また、筋肉は疲労すると自覚的には張り(硬度)として感じられることから、運動後の筋硬度の変化を張りの回復として捉え、サポーター着用の有無による回復の違いについて定量的に検証(腓腹筋への超音波センサーによる測定)した。 これらの結果は下腿を覆うサポーターを開発するための基礎的データとなった。(2018~2021)
図2:実験条件別腓腹筋筋電図積分値
※次の条件群で30分間のランニング時に計測した。
N条件:サポーター着用なし、L条件:低圧サポーター着用、H条件:高圧サポーター着用
EMG1:右足内側、EMG2:右足外側、EMG3:左足内側、EMG4:左足外側

04企画提案力

特許構造機能性商品をはじめとし、様々なシーン・ライフスタイルに合わせた商品の提案を自分たちで考え、または一緒に考え、様々な価値を生みだすことに全力を尽くします。

  • テーピングソックス(特許No.第4295325号)

    テーピング理論に基づいた特殊構造。伸縮性のある糸で編み上げ、足首をナチュラルにホールドし、X型(フィギュアエイト型)に土踏まずまでサポートします。けがの防止や疲労軽減に効果があります。

  • ハニカムテーピングソックス(特許No.第6268238号)

    ハニカム(ハチの巣)をイメージさせる六角形が並ぶ構造。6方向からソフトな絞まり具合と同時に高い耐久性を実現しました。

  • バックプレス構造(特許No.第6257860号)

    ふくらはぎに部分的に高い加圧を加える構造で、筋肉を包み込むように持ち上げ、シェイプアップ効果を実現しました。

工場風景・生産工程

くつしたができるまで

01
原料
原料と言ってもたくさんあり、「天然繊維」のグループで、羊毛(ようもう)、麻(あさ)、絹(きぬ)、木綿(もめん)などがこれに入ります。もうひとつは、人間が手を加えて化学的に作るナイロンやポリエステルなどの「合成繊維」のグループです。「天然繊維」は、1本の繊維が短いというのが特徴です。商品の在り方によって様々工夫し原料を準備します。
原料の糸を編み機で編み立てます。

編み機は、機種・インチ・針数など多様にあり、それぞれ作れるものが違います。

それぞれの機能性・構造またはお客様の要望に合わせて一番良い編み機を選定し生産します。
靴下は編み機では筒状に編まれて出てきますから、つま先の部分を閉じる必要があります。その工程を先縫い(ロッソ)といい、靴下専用のミシンで縫製し、つま先を閉じる工程です。
機能性商品や目の細かい商品を作ることが多いですので、“穴あき”、“スジ”など編立時に不良が出ていないかを光棒に通して視覚的に1つ1つ検品を行います。
検品を終えたあと、蒸気の力でシワ伸ばしや形を固定する為に専用の金板に靴下をはめて、固定させる工程(セット)となります。